« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »

2007年12月29日 (土)

コリアン・ウイーク。

12月25日から28日まで、「コリアン・ウィーク」と銘打った催しが、所属部局内で行われていた。

私が参加したのは、26日の「上映会&トーク」と、27日の私自身が担当した「東国大学校日本文化セミナー」の1コマ。

上映されたのは、梁英姫(ヤン・ヨンヒ)監督の「Dear Pyongyang」。在日韓国人である梁監督が、10年にわたって撮影した自身の家族の物語である。上映会の後、梁監督を招いての意見交換会が行われた。

映画を見ての感想、またこの映画をどう評するかについては、意見の分かれるところだろう。今回の上映会には、院生や教員、あるいはその知り合い、そして東国大学校の学生さんたちも参加していた。歴史認識、国籍、世代・・・・・それぞれによって、感じ思うところが異なるのは、当然のこと。むしろその違いをことばにし合い、語り合うことこそが大切なのだと思う。

会終了後に行われた懇親会で、韓国からの留学生や在日の人、あるいは1960年代から70年代の政治状況を体感している上の世代と映画の感想を話す機会があった。互いの違いが面白かった。

27日は、午前10時から12時まで、東国大学校の学生さん向けに授業を行った。事前に依頼されたのは、「日本文学や日本文化と女性に関する内容を」ということ。はてさて何にしようか。後に配られた6つのセミナーにはそれぞれ大きな講義題目が掲げられていて、私のところは「女性論」となっていた。

おぉ! ワタシが女性論?! ワタシなんぞでホントーに宜しいのでしょうか?! とは一瞬思ったけれど、よくよく考えればこのところずっと関わっているのは文学と女性教育の問題なのだから、そー考えれば女性論もアリか。ある意味、看板の先取り、ひとつのチャンスなのかもね。

そこで結局、明治20年代に行われた女性教育の一端を話すことにして、じっくり念入りに資料を作成。元・留学生のKさんにお願いして、資料すべてに韓国語の翻訳を付けていただき、視覚的要素もしっかり盛り込んで。当日の通訳も、内容を理解してくださっているKさん担当していただけたことで、意図していたことの多くは、それなりに伝わったかな。

とくに、東国大学校の学生さんたち19名は全員女性で、しかも儒教道徳に関する知識や歴史的文化的背景を共有できる面のあることが、理解を助けたはず。と言うか、こちらもその点をある程度予測して内容を選択したわけだけどね。

学生さんたちからは、講義内容のみならず、今現在の日本女性が置かれている状況についての質問も出ましたね。答える側としては、その、今現在の方がある意味難しかった。40代の私が、20代のこれから社会に出ようとする、あるいは働き始めて数年の女性たちの現況や心情を代弁することはできないし、当然のことながら人それぞれだもん。

ただ、韓国の就職難は日頃から耳にしているので、お金(資本)や人脈がなくても、世の中で必要とされているコト・モノを観察し、アイディア(ソフト)で勝負!という方法もあるのではないの? そのとき必要なのは冷静で的確な判断と行動力。そう考えれば、女性の未来も明るいはず、なんて答えたのでした。

う~ん、ちょっと無責任? でも、女は度胸は万国共通だもん。

| | コメント (2)

2007年12月15日 (土)

久々の上野さん。

〈札付きの〉フェミニスト、上野千鶴子さんの講演会(ブックトーク)に行ってきました。

上野さんのお話を伺うのは、5~6年ぶりでしょうか。前回はアカハラ(アカデミック・ハラスメント)に関するもので、参加者の多くは大学など研究教育関係者でしたが、今回は一般向け。

ご本は、発売半年で32万部を売り上げたという『おひとりさまの老後』(2007.7・法研・1,400+税)。

上野さんが「本の産婆さん」と喩えられた法研の編集者:弘由美子さんも参加されていました。この本の命名者がどなたかかは知りませんが、「老後」に「おひとりさま」を冠したところが上手い。今日の講演に20代・30代の女性が結構参加していたのも、「おひとりさま」という語感によるところが大きいはずです。

さてさて相変わらずの上野節。2時間30分という長丁場にもかかわらず、しっかり楽しませてくれます。

「研究とは、私利私欲のためにやるものだ」

思わず大きく頷いてしまった。だって私もこの私利私欲型だもん。 自分にとって切実な問題だからこそ、やる気も起きるというものです。

上野さんの場合は、介護保険が導入された7年前から、高齢者の介護問題を新たな研究テーマのひとつに加えることとなった由。それは自分の老後が視界に入ってきたから。自身の老後に不安を覚え、ならば大先輩たちに話を聞いてみようとなったわけですね。

ご本人もおっしゃっていた通り、既読と未読、両者が混在する今日のような場での講演はやりにくい。でもそこは、研究対象としたからこその蓄積、つまりは膨大な時間に及ぶ聞き取り調査の成果、現場の声の紹介によって、既読未読どちらの期待にも応える工夫をしてらっしゃいました。

飽きさせない。聞かせて、笑わせて、そして考えさせる。

そう、私が今回参加しようと思ったのは、「話術」の勉強が第一。小中高と違って大学の場合、「研究授業」などによって自身の授業を客観的に見直す機会というのは少ない。研究発表のやり方ならば、研究会に参加すれば良いが、授業となると難しいのが実際のところ。受講者である学生にコメントペーパーの提出を求めてはいるものの、どう改善・改良するかの妙案はなかなか思いつかない試行錯誤の日々なのです。

もちろん、講演と授業は違います。ただ、今日の講演の場合、1,000円とはいえ有料で、事前予約が必要。当然興味関心のある人たちが参加しているわけで、その要求に応えられる内容でなければならない。しかも、上野さんは来年還暦だそうだが、その上野さんより「老後」の先輩である80代、70代の人たちに、なるほど~と思ってもらえる中身。これまたなかなかに難しいはずです。

そこで効果的に盛り込まれていたもののひとつが鍵語となる造語。たとえば、調査に同行した指導学生、つまりは東大の学生に向けに言うというひとこと。

「人間最後はIQより愛嬌よ」

だったり。吉武輝子さんが『おひとりさまの老後』の書評に記したという、老後に大切なもの。それは、

「金持ちより人持ち」

だったり。思わずメモしちゃいます。

主催者側もあの手この手で盛り上げます。参加者全員に赤・青・黄、3枚の色紙を配り、上野さんの質問に答えたり、アンケートへの回答に使ったり。アンケートには、上野さんについての感想・・・・・・思ったよりも優しい人だった・思った通り優しい人だった・思った通り厳しい人だった・・・・・を選ばせるものがあったり。

予約の際、本を購入済みの人はできれば持参を、という案内がありました。会場でも販売されていて、講演終了後、希望者向けに別室ではサイン会開催。帰り際、見たところでは、1時間はかかりそうな長蛇の列ができていました。巧みな話芸にサービス精神、そして書籍販売。まさにプロです。

研究者が商売?! その何が悪いのでしょう。必要のないものに、人はお金を払ったりはしません。「不安」を抱く人に、ひとりで生きる知恵とエールを送る。その大切さを、互いが了解しているからこその32万部です。

不安とは、おそれの対象がなにか、よくわからないときに起きる感情だ。ひとつひとつ不安の原因をとりのぞいていけば、あれもこれも、自分で解決できることがらだとわかる。もしできなければ、最後の女の武器がある。「お願い、助けて」と言えばよい。

なに、男はどうすればいいか、ですって?

そんなこと、知ったこっちゃない。

せいぜい女に愛されるよう、かわいげのある男になることね。 (「あとがき」より)

愚痴、弱音は吐きまくり。「助けて~」も日常茶飯事のわたくし。でも、だからこそ、それがちゃっかり言える自分にラッキー、聞いてくれる人にありがとう、であります。

| | コメント (4)

2007年12月13日 (木)

やり方はいろいろなのね。

非常勤先での授業。

予告通り「マツケンサンバ」の振り付け指導をする真島さんに、15分ほどご登場いただきました。真島さんの振り付けは、ひと昔、いやふた昔前のジャズダンスを思わせます。だからこそ、老いも若きも見よう見まねで踊れたわけですね。東京ドームでマツケンサンバを踊る2万人の老若男女。その表情は、踊ることの楽しさに満ちています。

さて、DVD鑑賞を挟んで、授業ではカラダの動きをことばで表現する練習を繰り返しました。

たとえば、志村けんの「アイーン」。あのポーズはどう表せばよいのでしょう。ひとり、またひとりと当てていく中で、それぞれが足りないところを補っていきます。目線の位置まで言い表してくれる学生もいたりして。なかなか芸が細かいですな。

そして授業終盤、課題は「ぞうきんをしぼる」動作。

終了後、出席者分を回収し、控え室でさっそくチェック。 

「両手を下げてバットを持つようにして・・・・・」。そうね、そんな感じね、と読み進めている私の、赤ペンを持つ手がハタと止まった。

「鉄棒で逆上がりをするときの手を、片手だけ逆にしたような形で・・・・・」?????

小異はあるものの、この類の、両手を前方に挙げる仕草を書いた学生が結構いるのです。しばし戸惑うオバサン。

あとでネットで調べたら、ぞうきんしぼりにも、「縦絞り」と「横絞り」の2種類がある、と書かれてありました。

そうなのぉ~、ふむふむふむ。 いやっ、ちょっと待て。「横絞り」、なんじゃそりゃ?!

いやもちろん私だって、横絞りなる動作の行われている情景を目にしたことはありますよ。でもそれは、「たまたま今だけ」、だったり、「ついついやっちゃうのよね」といったヒトコトの付くものだと理解しておりましたのさ。

手首に負担をかけずに力を出すことができ、水の飛び散りも防ぐことができるのは、「縦絞り」と称されるやり方でありまして・・・・って、それが「フツー」じゃないってことなのね。1960年代生まれのオバハンは、やっぱり驚かずにはいられません。

いや~もうこの際、正しい正しくないなんて、あれこれ言う気は毛頭ないのです。

つまりはそうです。今回わたくしが学んだこと。それは、「ぞうきんを絞るような格好で」という表現は使えないってことであります。

いやはや、勉強させていただいた1コマでありました。

| | コメント (0)

2007年12月 4日 (火)

師走です。

今日は朝イチ非常勤の日。授業(文章表現法)は新しいテーマ「からだの動きを表現する」の第一回目です。

たとえば振り付け師やインストラクター、あるいはスポーツライターはどうやって動きをことばにして伝えるのでしょう。いざ表現してみようとすると、これがなかなか難しいのです。

導入として今日は、授業の後半でDVDを使いました。この授業では初のDVD鑑賞です。選んだのは、野口三千三さん(野口体操創始者・東京芸大名誉教授 1914~98年)の実演付き講演ビデオ。撮影時、野口さんは御年76歳だったのですが、声も動きもきびきびとして実に若々しいです。講演には養老孟司さんが招かれ、後半はおふたりの対談となっています。

 「野口体操の会」 http://www.noguchi-taisou.jp/index.html

さて来週は、野口さんのことばによる表現を確認し、学生さんにもいくつかの課題に取り組んでもらったその後は、ガラッと一転。

♪オーレー、オーレー♪ 「マツケンサンバ」で有名な振り付け師、真島茂樹さんにご登場いただく予定(もちろん映像で、ですが)。腰元ダンサーズ相手に振り付けをする真島さんのことばを取り上げます。

ところで、N大学のメインストリートに恒例の飾り付けが登場しました。今年も残すところわずかです。

Kc380003 Kc380002

|

2007年12月 2日 (日)

業界研究。

先週4日間、私も委員のひとりである進路問題対策委員会の企画として、業界研究ウィークと題する行事を実施した。

これまで、文学部・文学研究科は就職に関して積極的な支援はしてこなかった。でもそういうことではこの先ダメよ、ということで、委員会が作られたわけである。とはいえ委員全員、誰も就職活動なるものを体験したことがない。はてさてどうするべぇ?

そこで早速、学内にある就職支援室の方々に協力をお願いすることにした。やはり餅は餅屋、である。当初こちらが考えていたところ、つまりは企業の方による業界案内、模擬面接会、といった提案に、すぐさま具体的な形を与えてくださり、さらに講師の手配もしてくださった。

本当に、感謝・感謝である。

このふたつの企画のうち、先週実施したのは前者。「モノづくり」「情報・通信」「マスコミ」「金融」、4つの業界からそれぞれ一社ずつにお越しいただき、お話を伺うとともに、あれこれの質問をさせていただいた。

あっ、もちろん、質問したのは参加した学生・院生さんです。(転職、じゃなくって、新卒採用。当然年齢制限ありですもんね。ザンネン)

4日間とも受付などを手伝いがてら顔を出してはいたものの、私が全体に責任を持つのは最終日の金融。内心、4つのうちで一番聞きたかった分野だったので、ラッキーでした。

いや何も、財産がどうとか、運用がどうとか、ということではありません。そうではなくて、あるものを循環させて新たな何かを生み出す、ということに興味があったのです。かりにお金もエネルギーのひとつであるととらえるならば、そのエネルギーをいかに動かすか。より効果的な方法のヒントになればと思ったわけです。

その意味で、金融のなかでも偶然とはいえ信託銀行の方がお話をしてくださったのは幸いでした。

誰を、何を、信じるか。そして私は、託しきることができるのか。「信託」という言葉には、深いものがありますね。

| | コメント (2)

« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »