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2009年11月28日 (土)

岩田健太郎『感染症は存在しない』。

東京へは、シンポジウム「女性研究者支援の新時代を迎えて」(於:日本大学)の分科会で、名古屋大学内学童保育所について報告するために出かけました。

報告それ自体は数分の短いものだったのですが、こうした場で名大参画室事業に関してお話しするのは初めての経験だったの、ちょっと緊張しました。席上、ご質問くださったみなさま、情報交換させていただいたみなさま、ありがとうございます。

短い時間であっても、興味関心をもって声を掛けてくださった方々とお話をし、名刺交換をしました。あとで名刺を見返してみると、それぞれの方の所属部局が何とも多様で、面白かったです。

ところで、新幹線での往復の車中では、岩田健太郎さんの『感染症は実在しない 構造構成的感染症学』(2009.10.20、北大路書房)を読んでいました。

こういう「哲学」をもったお医者さんにどんどん発言してほしいな、というのが読み終わってすぐに感じたことです。

岩田さんは本書の中で繰り返し、「病気は実在せず、医者に意図的に、恣意的に認識された現象にすぎない」(P.185)ことを説明してらっしゃいます。ならば、「病気」とは何なのか? それが「実在」しないとしたら、医者や医療行為に意味はないのか?

医者にも医療にも、ちゃんと存在価値がある。でもそれは、病気を認識して病気を治すというオートマティズム、思い込みではないと思います。そこに私たちの価値があるのではありません。

では、医療行為とは何かというと、何のためにするかというと、それは個人個人の価値観との交換行為のためだと私は思います。(P.189)

つまり問われているのは、「あなたはどう生きたいですか?」ということ。「目的(あるいは関心)」と「価値」を明確にすることです。

私がここで提案したいのは、自らの「生き方」を規定することです。「医療とは、ある人の生き方の規定、目的に照らし合わせ、それに不都合がある場合に提供される支援のあり方である」。こんなふうに意味の組み直しをしてみることが大切だと思うのです。(P.243)

そう、「自らの生きるあり方を探すこと=哲学」の必要性が説かれているわけです。

そこで「哲学」と言えば・・・・・。岩田さんのご本の副題にあった「構造構成的」というのは、先日講演会に伺った西條剛央さんが提唱してらっしゃるメタ理論です。

実は今春、大学の先輩に、哲学者で仏教心理学や妖怪学も研究してらっしゃる甲田烈さんを紹介していただきました。お会いする前に、烈さんのご本『手にとるように哲学がわかる本』(かんき出版)を読んだりしていたら、一緒に会いに行くことにしていた友人のMさんが、「烈さんのことが書いてあるブログを見付けたよ」と教えてくれたのが↓でした。

岩田さんのブログ「楽園はこちら側」 2009.3.6「早稲田大学に」http://georgebest1969.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-caf7.html

たしかに。烈さんに初めてあったときのインパクトは、本当に凄かった!

そして、その烈さんと岩田さんとともに、西條さんが勉強会を開いたときの印象は以下のようなものだったそうです。なるほどね~。

「西條剛央ブログ:構造構成主義」2009.4.1「岩田健太郎さんという超才能」(3月の日記)http://plaza.rakuten.co.jp/saijotakeo0725/diary/200904010000/ (つづくも見てね♪)

そういう流れもあってのことでしょう。本書「あとがき」にはちゃんと、西條さんと烈さんへの謝辞が書かれてありました。

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2009年11月25日 (水)

怒濤の11月、とにかく書き終えました。

この11月に締切が設定されている原稿が6本ありました。

『文部科学教育通信』「シリーズ 女性研究者を活かす」2本、論文1本、書評1本、同窓会ニュースレター1本、商業誌1本。

今日、最も締切(30日)の遅い1本を送り、とにかくすべて、締切前に入稿することができました。時には守れないときもありますが、基本的に締切厳守を自分に課しているのは、何事も追い込まれるのが苦手で、かつ、せっかちだからです。加えて、締切を過ぎてしまうと、やる気喪失状態に陥るからでもあります。

折しも先々週と先週は、授業も私にとっては多い5コマで、しかも先週はマインドマップ講習会もあったので、もう、何が何やらの状態でした。

さすがに、最後の1本をほぼ書き上げた今週月曜日、多少ホッとしたせいか、夕方から熱が出始めました。夜中も眠れなくて、ちょっとマズイなぁ、もしや新型インフルエンザ?と一瞬焦ったものの、朝方には微熱程度に落ち着いたので、そのまま授業に出かけました。

午前中2コマを終えたあたりから、少しずつ調子も戻りはじめ、夕方の会議の頃には、熱の影響で前夜から痛かった節々も、ほぼいつもの感じになっていました。

書くことは好きで、それなりに慣れてはいるつもりでも、期限のあるモノを予定通りに書き上げていくのは、やはりシンドイことですね。しかも今回は、初めて書く類のものがあったからでもあります。

『文部科学教育通信』(ジ アース教育新社)「女性研究者を活かす」では、「名古屋発!改革ムーブメント」と題して、6回の連載で名古屋大学男女共同参画室の活動を紹介しています。残るは12月に最後の1本。とはいえ今回のご縁を機に、今度は私の専門に関する内容で、連載が始まることになりそうです。

そして、今日送信し終えた商業誌の1本も、実はこのホームページがきっかけで声を掛けたいただいたものです。なんせ商業誌への執筆は初めての経験なので、果たして私が書いた内容でよいのかどうか、いまはご意見を待っているところです。めでたく掲載となった暁には、また、ご紹介させていただきますね。

何はともあれ、とにかく書き終えることができて、感謝感謝です。明日は東京出張。名大学童保育所について、報告してきます。

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2009年11月16日 (月)

西條剛央さんの講演マインドマップ。

昨日の協同学習ワークショップで、マインドマップに興味があります、と声を掛けてくださった方が数名いらっしゃいました。

その際に私が、読んだ本の内容を記録したり、論文の構成を考えたり、発想用のブレスト的に使ったりの他に、講演も聴きながらマップ化しますよ、とお話ししたら、意外に思われた方がいたので、携帯しているノートにあった西條剛央さん(早大)の講演マップをお見せしました。

学内で行っている講習会参加者向けには、開設しているコミュニティで時々、こんなの描きました、とアップしていますが、こちらのHPでは今回が初めての自筆マインドマップのアップとなります。

そこで以下に、コミュニティにアップした記事を一部転載することにします。

Webmm_4        

講演題目:「研究以前のモンダイを解消する SCRM(構造構成的研究法)の考え方」(2009.10.17/於:名古屋大学大幸キャンパス)

西條さんの専門は心理学で、たとえば養育者と子どもの「抱っこ」研究などもされていますが、それと平行して、新しい超メタ理論である構造構成的研究法の体系化・応用・普及も行ってらっしゃいます。

超メタ理論とは、まさに「研究以前のモンダイ」に関わるもの。つまり、研究以前の信念対立に関するアプローチである点、分野を問いません。

たとえば、研究に関する議論しているときに、何となく噛み合わない、進まない、と感じ、いつしか感情的になったりすることがあります。それはなぜかと考えていくと、分野によっていろいろでしょうが、基礎VS臨床、数量的VS質的、社会構築主義VS客観主義・・・・などといった信念対立が原因の場合があります。

そこで西條さんは、信念対立による不毛な対立や相互不干渉を多少なりと減らすことができないかと考えたわけです。こういうことを考えるのは、西條さんも言っていたとおり、自分が弱者というか、院生だったり若手だったり、どちらかと言えば評価される側の場合が多いですよね。

予習?を兼ねて、前日に読んでいた西條さんの本にも、議論の途中で、「♪分かってくれとは言わないが、そんなに俺が悪いのか♪」(「ギザギザハートの子守歌」byチェッカーズ)って言いたくなるときがある、なんて書かれてましたけど。

そこで最初のキーワードとなるのが「関心相関性」。(マップでは右下あたりの箇所です)

講演会があった土曜日は、小雨交じりの一日だったので、それをたとえに西條さんは「関心相関性」を説明していました。曰く、雨降りの中で水たまりを見ても、とくにそれに関心を払うということはほとんどないでしょう。でも、砂漠の中で水たまりを見たらどう?

つまり、そのものの存在や意味や価値というのは、相関的に立ち現れるものだということです。

曰く、世の中には「虫屋」と呼ばれる虫好きさんたちがいる。ボクが一緒に本を書いたりしている池田清彦先生の部屋に初めて入ったとき。そこにはなんにもなくて。あるのは、積み上げられた段ボール、そして虫の入った虫箱。書架にあったのは、『月刊 虫』という雑誌のみ。いやほんと、驚いたなぁ。池田先生や養老孟司先生のような虫屋さんたちは、休暇となると、どこに虫を捕りに行こうか嬉々として相談しているけれど、もしボクが、1ヶ月間○○で虫捕りをしてこいと言われたら、それは拷問でしかないもの・・・・。

マップ右下から再現できる話の内容は、だいたいこんな感じでしょうか。

今回の講演は、紙資料はなくパワポのみだったので、メインブランチが果たして何本になるのか見当が付きませんでした。講演時間も、10分の休憩を挟んだものの、結果的には3時間に及んだので、A4サイズで足りるのか途中で不安になりましたが、細書きのステッドラーを使ったので、なんとか収まりました。

キーワードとなる単語ももちろん必要ですが、やはり落書きレベルでも絵を描いておくと、いろいろ思い出せるものですね。

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マインドマップを描かれたことのない方は、講演を聴きながらこんなふうに描けるものなのか? と思われるかもしれませんが、描けます。文章でメモを取るよりずっと楽です。それが証拠に、あちこちに落書きもしています。このとき持っていたのはカラーペンだけだったので、自宅に戻ってから色鉛筆で所々塗ったりしましたが、それも5分程度です。

たとえば、あまり迷走しない会議あたりから、試してみられると良いと思います。退屈で、眠ってしまいそうな会議なら、効果絶大?! 発言者の似顔絵でも描き添えれば、起きていることができます(って、目的が違いますが)。ぜひお試しください。

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2009年11月15日 (日)

協同学習ワークショップ(アドバンス)。

土日と南山大学で開かれた協同学習ワークショップ(アドバンス)に参加してきました。

(ベーシック時の感想は、本ブログ2009/9/7「協同学習と連句の「座」」をご覧くださいhttp://sen-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-5397.html

このところ仕事が立て込んでいて、プラスあれやこれやで体調もいまひとつだったのですが、やはり参加して良かったです。校種や専門が違っても、しっかりとしたバックグランドと、高い問題意識をもった方々が集うワークショップは、学ぶべき点が多いです。

講師の関田一彦先生ご自身がおっしゃったことですが、ワークショップというのは、講師の力量はそれとして、参加した人同士が学び合う点が良いと。たしかに、ワークを通じて互いに話し合いを重ねる中で、それぞれの教育観であったり人生観であったりが垣間見える瞬間があり、それはとても刺激的、かつ新鮮な体験となります。

いや、もちろん関田先生は、ユーモアを交えつつ穏やか~にお話しを進められていて、「あぁ、こういう持って行き方もあるのだかな」と、その講師ぶりにも多くを学ばせていただきました。

また、もうおひとりの講師である石田裕久先生には、マインドマップに興味があるという参加者の方々をご紹介いただき、とても嬉しかったです。なんせ最初のアイスブレークが、マインドマップ形式での「好きなモノ・コト」のマップ化。しかもこのとき、「マインドマップをご存じの方」という関田先生の質問に、8割以上の方が手を挙げられました。ホント、私の方がビックリでした。書籍を通じてはもちろんのこと、有料講座を受講された方もいらっしゃって。みなさん、情報キャッチのアンテナが高くて、嬉しい驚きでした。

2日間にわたるワークショップの開催、講師の先生方、諸事お世話くださったスタッフのみなさま、ありがとうございました。

以下ご参考までに、「日本協同教育学会」のホームページをご紹介しておきますね。ttp://jasce.jp/index.html

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2009年11月 6日 (金)

辻真先『『鉄腕アトム』から『電脳コイル』へ アニメとはなにか』。

ご存じ辻さんの新刊、『『鉄腕アトム』から『電脳コイル』へ アニメとななにか』(松籟社)が出ました。

なぜ「ご存じ」なの? と不思議に思われた方、お手数ですがこのブログ内検索で、辻さんを検索してみてください。

さて、本書帯文には、「「鉄腕アトム」「サイボーグ009」「ジャングル大帝」「サザエさん」「デビルマン」・・・・・・1500本超の脚本を書いたアニメ界の巨星が綴る日本アニメの過去、現在、未来 ―」と書かれてあります。

もちろんそうには違いないのだけれど、やっぱり辻さんが凄いのは、「いま」を語ってるところ。しかも御年77歳、喜寿を迎えても、こうれだけ膨大な情報にちゃんと対峙することができるってこと。人は、怠らなければ、日々進化できるんだ。最終章「『大江戸ロケット』と『電脳コイル』」」に辿り着いた頃には、嬉しさとともに、何だか胸がジーンと熱くなってしまった。

畏敬の念、などと言う堅苦しい言葉は辻さんの軽妙な語りに不似合だから、あえて、「憧れちゃいます!」と言うにとどめよう。

「わからないけど面白い方が、よくわかるけど詰まらない作品より遙かに上」というのが辻さんの持論。「作品」は「論文」にも「人」にも置換可能という気がする。「わからない」の中には、「なぜ?」と、「分かりたい」がいっぱい詰まってて、明日に繋がるから。

 アニメは子どものものであって、卒業した大人には無用 ― ―という論議は、昔から存在した。たぶんいまでも世界の大半の大人はそう思っている。その人たちにはいたって耳障りのいい正論のはずだ。

 だが。

 大人はそれまでの自分の世界にしがみつき、子どもはこれから始まる未知の世界に憧れる。固くなった頭の持ち主と、柔軟な頭の持ち主の、どちらがよりよい未来に適合するだろうか。

 自分の足で一段ずつ踏んで登ってゆく者が、光を浴びることができる。・・・・・というのは、オープニングのタイトルバックにこめられた主張だ。

 決して声高ではないが、誰もが耳を傾けるべき作者の本音、そう思う。思うだけではない。『コイル』での大人と子どもの扱いは、本書がしばしばくり返した願いと色濃く同調しているはずだ。(本書P.209)

未来とは、いま現在の変化の先にある。変わることを怖れる者に、光あふれる未来は訪れないとするならば、この際、実年齢なんぞはさっさと忘れて、思う存分変化を楽しめば良い。

ちなみに辻さんは、筋金入りのテッチャンにして、大のジェットコースター好き。山あり谷あり、くねくね道あり。けれどたしかなことは、必ず誰もが終着駅にたどり着くということ。せっかくだもの、キャーキャー悲鳴を上げながらでも、スリルを快感に換えてしまえば良いのです。

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2009年11月 4日 (水)

ホ-ムページ紹介コーナー。

11月です。ちょっと肌寒くなってきました。研究室も夕方になると冷えてくるのでエアコンをつけたいところですが、つきません。事務方に確認したら、元が止めてあるそうです。稼働するのは11月半ばからとのこと。こうなったら着込むしかありません。

ところで、←左側にホームぺージの紹介コーナーを設けました。ずっと前から機能はあったはずですが、できなかったのは、もちろん私のせいですね。あぁ、こりゃこりゃ。

藤森かよこさんの「アキラのランド節」。本日更新分もまたまた笑わせていただきました。って、どの箇所で笑ったかは内緒。ここまで言って、良いんですよ、ホント、なるほど、たしかにね~。

そしてこの10月に会社を立ち上げられた沢田淳子さん。同世代として、とっても励みになります。

このブログも、もっとマメに更新したいのですが、なかなかできずにいます。学内で開催しているマインドマップ講習会受講者向けにコミュニティを開設しておりまして、今のところそちらへの書き込みを優先しています。と言っても、ほとんどひとりブログ状態ですが。(別に、いいんだも~ん)

今月も、書いて書いて、動いて動いて、の1ヶ月となりそう。有り難いことです。きっと、殺気のせいでインフルエンザも避けてくれることでしょう。いや、歳のせいか。

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